加 賀 逆 立 ち 狛 犬 特 集


佐那武神社 金沢市大場町  卯辰神社 金沢市東御影町  須天八幡神社 金沢市神野町  三谷白山神社 小松市三谷町  桂神社 金沢市桂町  須岐神社 金沢市東蚊爪町

 各地の白山神社を取材しているうちに、変わった狛犬に出会いました、なんと逆立ちしています。その多 くは社殿に向かって右側が逆立ちしており「吽」、角あり、左側が「阿」「かまえ」で口に玉、「子とり」 もあり、左が逆立ちや両立のケースもあります。

 いろいろ調べてみるとこれらの狛犬は明治中期から昭和初期にかけて彫られた期間限定、地域限定のよう で、金沢市、野々市市、白山市の平野部、能美市を中心に南は加賀市から北は中能登町、志賀町(旧富来町) にまで分布しています。
 このたびかほく市でも見つかり、これまでのところ8社の白山神社を含む115社、117対(1社、1 対は富山県南砺市、金沢市在住者が奉納)の逆立ち狛犬を確認、取材しました。もっと見つかるかも知れず、 期待しながら神社巡りをやっています。

 因みに九州は筑豊地域やその他の地域にも散見されるようですが趣はいささか異なりますし少数派です。 本県のものは他に類の無い特異な狛犬群です。一般的な狛犬の分類では「金沢逆立ち」又は「加賀逆立ち」 とされていますが、同じ逆立ちでもさまざまな体型や姿勢のものがあるので、見た目の自己流で9系統+そ の他に分類(系統名とその概要は以下のとおり)してみました。

地域別 入り口      系統別 入り口

 金 沢 系  いわゆる加賀逆立ちで、精緻な彫りが特徴、金沢市、旧松任市を中心に分布
 松 任 系  鼻ひげとおどけた表情、流れるような毛並みが特徴、旧松任市、野々市市に分布
 林 郷 系  大きな口と四角い顔が特徴(金沢系との関連でこの分類はいささか不安ですが…)
 須 天(すあま)系  メタボリックな体型と小ぶりなおかっぱ頭が特徴、少数派
 卯 辰 系  飛んでるように躍動的な姿勢と微妙なバランスが特徴、少数派
 天日陰(あめひかげ)系  太い眉毛にあごひげのおどけた表情、ギザギザの上唇が特徴、少数派。
 三谷(さんたに)系  おどけた表情に、大きな耳とあごひげ、歯並びが特徴、少数派
 桂    系  花崗岩で彫られており摩耗した感じがするがしっかり彫られている、金沢市の海岸寄りとかほく市に分布、少数派
 山 島 系  カールした頬ひげ、大きな口と薄い唇、薄い顎が特徴、白山市の一部(旧松任市南部)に分布する、少数派
 そ の 他  分類のしようがありません、ということは他に類が無いということです

天日陰比盗_社 中能登町二宮  白山神社 加賀市勅使町  林郷八幡神社 野々市市上林町  神田神社 白山市吉田町  白山神社 白山市安養寺町  山島八幡神社 白山市安吉町