白山中居 (はくさんちゅうきょ) 神社
岐阜県 郡上市白鳥町
美濃禅定道の拠点、杉の大木


社頭

銅板葺きの両部鳥居   

1の狛  看板が邪魔で全身は後ろから  

大杉の間から石段をくだり、橋を渡って…   石垣の上に拝殿が見えてきた

2の狛は昭和18年8月奉納   

  

平入り形式の拝殿   

拝殿の後ろ、石段の上に本殿   鞘堂に納まった本殿

精緻な彫刻が施された本殿の建物   向拝下の彫刻

木鼻の彫刻   

本殿裏に杉の巨木   磐境(いわさか):社(やしろ)が無い時代に神が鎮座しているところとして祀られた場所

おみくじの自動販売機   泰澄堂跡

石の参道、参橋を見返す   社頭方向

参道脇にミズバショウの群生地   

所在地:岐阜県郡上市白鳥町石徹白第二号48番地

撮 影:平成26年5月4日         

(以下は岐阜県神社庁ホームページより引用)
主祭神:伊弉那諾尊(いざなぎのみこと) 伊弉那冊尊(いざなみのみこと)

由緒由来:
 伊野原の郷には、9000年前より人々が住み着き(島口遺跡確認)、本社は縄文時代より、磐境に国常立尊の降神を仰ぎ、 祭祀が斎行されたのが始まりで、現在は、七月第三日曜日の夏祭りに、石徹白創業祭が、磐境神事として、執行されて います。ご本殿の創設は、景行天皇12年(83)に、白山の真南は、宮川の上流、長龍滝と短龍滝の間、朝日直射し、夕日 輝く処に、伊弉諾尊を祀り給えのご神託のあったのが、正月中の日でありました。養老元年(717)越の大徳泰澄大師が白 山を開闢の時、当社に3年間滞在し、別山を上社とし、中居神社を下社とした白山参道並びに、中居神社を整備なされ ました。鵜葺草葺不合尊の二の峰社・神鳩社・今清水社・美女下社等も含めて、神仏混淆となり、鳥居も両部鳥居にな りました。
 そして、現在のご本殿は、安政2年から3年にかけて、福井県は永平寺町第27代大工棟梁玄之源左衛門が建 築を担当し、彫刻は同地の後藤簾之助と諏訪の立川和四郎2代冨昌と昌敬の合作であります。本殿の「栗穂に鶉」の彫 刻は「七十五歳立川富昌」の花押あり、海老虹梁の龍・脇障子の子育ての獅子は昌敬、大虹梁の菊は冨昌等、優れた傑 作として、評価されています。境内は1400年有余の杉大樹が社叢を取り囲み、県の天然記念物指定となっています。今 清水社境内には、樹齢1800年の日本一の大杉が、白山信仰の歴史を今に伝えています。四十代天武天皇・四五代聖武天 皇寄進の刀剣、六十代醍醐天皇の時代藤原能信寄進白山大鏡五十余品奉納。九十一代後宇多天皇刀剣長光奉納。木曾義 仲戦勝祈願立願状・伊藤加賀守秀盛主君豊臣秀吉と家族の立願状。
 無形文化財として、「五段神楽」、は宮廷を祝う祭 りとして、奉納されたのが始まりの無形文化財です。神輿は、白黒の幕で覆われ、12人の担ぎ手により、天狗面を先 頭に、御旅所まで賑々しく神楽に囃されながら、出御され、五段神楽の舞を奉納して、拝殿まで遷御の祭礼が、五月第 三日曜日の春の例大祭に御神前に奉納されています。秋の祭りは、十月第三日曜日に「新嘗祭」が、「ゲド投げ祭り」 として、執り行われています。

特殊神事:磐境神事・ゲド投げ祭り

文化財等
五段神楽:
 五段神楽は、古代史上最大の王権をめぐる闘いに勝利した天武天皇の即位を称えて、天下太平国家安全を五行相生の 原理に基づいて宮廷の五節舞いと同様に天武期に越の宗廟(石徹白)と岩見、出雲等で舞われる様になった。吉田神道は、 宝暦騒動の頃に、朝廷を中心とした、天下太平国家安全を祝う祭りの性格を、一地方の単なる春祭りの神楽に移行され、 五行舞を五段神楽に改められた。
 五段神楽は、舞いの楽器は、5種類であること。舞いの方向と動きが、5行相生の5 行であり、5行の輪廻と環境の舞いであること。石徹白の五行又は五段のみの特徴として、鳶の舞いがあり、神武天皇 の建国時の瑞兆の鳥の鵄(とび)の舞に始まるこの舞いは、建国と天下太平を祈る舞いに最もふさわしいこと。御旅所へ の移動に先導して吹奏する笛の曲を五行と呼んでいること。往事は、最後が舞姫3人が全員で5行相生の舞で終わって いたが、現在は2人が弊と鈴で、五行相生の舞で終わっていること。巫女の装束は、金色の天冠・白鉢巻・後頭部五色 (青・赤・黄・白・黒)のたけなが布・紅白の下着・緋の袴・赤地に金襴の胴衣・白足袋・紙緒草履・その他、たけなが の布の色も五行であること。以上6点で五行舞の五行が継承されており、石徹白の五段神楽は、歴史的時代背景は、古代 天武期を期限とした五行舞で、その後幕府や大名支配の時代の吉田神道の影響で、五段神楽として、里神楽的色彩を強 めつつ、尚、古典の五行舞の要素を強く堅持している無形文化財は、石徹白の春の例祭に、御神前に、一年に1度だけ、 奉納されています。

刀剣:
 天武天皇奉納剣・聖生天皇奉納太刀

能面:
 父尉(ちちのじょう)「日吉与十郎」墨書銘・男の面 室町時代作品、地塗り胡粉、唇は朱、葉は黒。若い女 「白 山参柴山喜蔵天正八二月」寄進の銘、天正八年(1580)制作。女面 室町時代作品、胡粉地の白肉色、眼と歯は黒。天狗 面 室町時代作品、「与十郎(花押)」墨書、朱

祭礼情報:5月第三日曜日